シロアリは、日本全国どこにでも生息していて、知らないうちに住宅の床下に潜伏しているかもしれません。
まず覚えておきたいのは、シロアリはアリとは全く別の種類の昆虫で、住宅に被害をもたらす存在ということ。シロアリは表面を残して食べ進でいくため、発見されにくいのが被害を大きくする要因のひとつです。
今回はシロアリの種類と対策についてご紹介していきます。
シロアリの種類によって被害の大きさが異なる
雨漏りのチェックと同様に、以下のような現象があったらシロアリ発生の可能性があります!
・春~夏にかけて羽アリを沢山見た
・近隣でシロアリ駆除をしていた
・雨漏りや水漏れなどがある
・床がフワフワと浮く、もしくはギシギシ軋む
・床下の湿気が多い
シロアリを見分けるポイント
シロアリをアリと勘違いして見過ごさないように、ポイントを覚えておきましょう。
アリの羽アリは前後の羽のサイズが違う、シロアリの羽アリは前後の羽のサイズが同じという点を覚えていれば簡単に見分けることができます。
ヤマトシロアリ
北海道の北部を除く、日本全土に分布していて一番多く生息しているシロアリ。
体長は3~5mmと小型です。羽アリは黒っぽい色をしていて、4~7mmほどの大きさです。
乾燥に弱いので、建物の下部の湿った箇所や土中に生息していることが多いです。自然界でも落ち葉や枯れ木を分解するシロアリであり、木材腐朽菌を持ち込むことから食害箇所が腐ることが多いです。
イエシロアリ
神奈川県以西の海岸線に沿った温暖な地域に分布しますが、埼玉県でも被害報告があります。
体長は5~7mmと少し大きめです。羽アリはヤマトシロアリよりやや大きく、7~8mmで茶色っぽい色をしています。
ヤマトシロアリと比べ食害の速度が早く、被害も甚大になります。
乾燥した木材でも食害がおきますので、建物全体に被害が及ぶことがあります。
アメリカカンザイシロアリ
近年被害報告が出ている外来種のシロアリで、輸入家具、輸入住宅などの木材から日本に入ってきたと言われています。
体長は6~8mmと大きく、羽アリも8~11mmと大きめです。
体色がヤマトシロアリと似ているため間違われることが多いですが、乾燥した材木を食害するので生息場所が異なります。
状況にあった方法で駆除をする
シロアリ駆除は、おもに『バリア工法』と『ベイト工法』の2つが使われています。
バリア工法
バリア工法は、消毒剤・殺虫剤などの薬剤を被害箇所に散布して駆除を行います。
安価な駆除方法で、即効性や薬剤による予防効果も期待できます。
ですが、薬剤を建物に撒くため、小さな子供やペットへの薬害が心配な場合、建物の構造上、薬剤の散布ができない場合は別の方法で行われることがあります。
ベイト工法
ベイト工法は、ベイト剤という毒餌を土壌に設置してシロアリの巣に持ち帰らせ、食べさせて駆除します。
シロアリ駆除のベイト剤は「脱皮を阻害する薬」なので、人や犬・猫など脱皮をしない動物には無害です。
ですが、バリア工法より相場が高いこと、効果が出るまでに少し時間がかかるといったデメリットもあります。
実際にシロアリ駆除を行うときは、業者が建物の状況などを見て判断します。
場合によっては両方の工法を使うこともあります。
ご自身での駆除は要注意!なるべく専門業者に相談しましょう
シロアリの駆除は発生箇所すべてを処理しなければ、シロアリは移動してそのまま生息し続けます。シロアリ発生箇所を特定し、ご自身が市販の薬剤で処理することは大変難しいです。
虫がいたからとりあえず家にある殺虫剤を吹きかけてしまった、などの場合、シロアリが警戒して逃げてしまう可能性が高いです。警戒したシロアリは別の場所に再び巣を作るため、居場所の特定がより困難になってしまうのです。
大切な住宅を守るためには、ご自身でなんとかしようとせずに、経験豊富な専門業者に相談しましょう。