- 外壁塗装の工事が始まり、思いもよらないトラブル発生。。
- リフォーム工事には詐欺やトラブルが多いと聞いて、心配。。
初めての塗装工事で、業者やご近所さんといろいろなやり取りをしていますよね。
やり取りしていても、思うようにいかずトラブルに発展してしまい、今まさにトラブル発生中の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回はトラブルの解決方法と予防策を紹介していきたいと思います。
「外壁塗装中」に起こるトラブルと解決・予防方法
業者の駐車スペースがなく、工事が難しそう
塗装業者の車は、軽トラック~2トラックの大きさが多いようです。
駐車スペースや通行スペースが必要になることは、ある程度覚悟しましょう。
結論、塗装作業自体が不可能ということはないでしょう。
ですが、車を遠くに停めざるをえない場合は運搬費などで、工事費用も増えてしまうケースがあります。
解決方法
- 自家用車を別の駐車場やコインパーキングに移す
- 運搬の人や誘導員の人件費増を覚悟する
- ご近所とのトラブルに発展しないよう、挨拶を済ませておく
ご近所から、騒音に対してクレームが入った
騒音は足場の組み立てや、高圧洗浄などで発生する可能性があります。
また近隣トラブルは騒音以外にも、職人の態度が悪い、業者の車が邪魔などのクレームも多いようです。
通常は、工事前に業者からもご近所の方などへ挨拶や工事の案内が行くものですが、やはり礼儀やご近所付き合いも考えると施主が自ら事前に挨拶に行くのが好ましいでしょう。
万が一、工事のクレームが原因でご近所トラブルがもつれてしまうと、最悪の場合は弁護士に・・・・なんてことにもなりかねません。
解決方法
- 施主自からお詫びに行く。訪問を断られる場合、お詫びの電話をする
予防方法
- 工事開始にきちんと挨拶を済ませておく
- 挨拶時に、工事の音やニオイの出る期間を事前に説明しておく
隣の家から、塗料の飛び散りについてクレームが入った
業者の不手際で隣の家に被害が出てしまった場合は、その旨を業者に伝えしっかり責任を取ってもらうようにしましょう。塗装業者も、万が一の事故に備えて損害保険に加入しています。
解決方法
- 早めに施主自らお詫びに行く。補償は業者が入っている保険から行われるのが通常である。
予防方法
- 業者に、注意を払うよう日頃から伝えておく
- 大切なもの、貴重なものは事前にお願いして移動してもらう
自宅の車や植木を汚された・壊された
業者の不手際で工事範囲外の建物や家財に汚損が起きた場合は、業者に清掃や弁償をしてもらいましょう。
業者にも悪意はない場合が多いので、まずはやんわりと指摘しましょう。
また、指摘する際には証拠を確保しておくと安心です。
解決方法
- 汚損・破損を写真に残しておく。角度を変え、複数枚取りましょう
- 業者に汚損・破損があったことを、まずはやんわりと指摘する
予防方法
- 動かせるものは、汚されない場所に移動しておく
- 着工前に業者と最終確認、大事な物が置いてあることを伝える
中塗りと上塗りが同じ日に済んでしまった
手抜き工事である可能性が高いです。
実際には、一度しか塗っていないことが多いでしょう。
塗料の乾燥には、短いものでも4~5時間、長いものだと16時間必要になります。
そのため、同じ日に2工程分の塗装が済むことはまずありえません。
そもそも手抜きが起こる原因は、安すぎる金額で工事を契約することです。
その工事を引き受けた下請け・孫請け業者が、利益を確保しようと手抜きをする可能性があります。
解決方法
- 塗料名を検索し、メーカーカタログに記載されている乾燥時間を確認する
- 乾燥時間が守られていなければ、現場の職人ではなく、契約を交わした業者に直接問い合わせる
予防方法
- 塗装工程ごとに記録写真を提出してもらう
- 相場より安すぎる業者、大幅値引きを謳う業者とは契約しない
工事費用の追加・上乗せを要求された
契約通りの工事をしてもらう場合は、契約時以上のお金を支払う必要はありません。
焦って支払わないようにしましょう。
対応に困るようであれば、国民生活センターや住まいるダイヤルへの相談しましょう。
また、雨漏りの修理など想定していた以上の劣化が見つかり、追加工事を行う必要がある場合もあります。
その場合は、業者の説明に納得したうえで判断し、追加工事分についても別途見積もり・契約を必ず交わしましょう。
解決方法
- 契約通りの工事であれば、全く応じる必要はない
- 「国民生活センター」「住まいるダイヤル」へ相談する
予防方法
- 雨漏り修理などの場合、追加工事が発生する可能性を詳しく聞いておく
- 追加工事分も別途見積もり書と契約書を必ず交わす
前払金の支払ったのに業者が倒産した・逃げてしまった
基本的に前払いを要求する業者は資金繰りがうまくいっていない可能性も高く、信頼性に欠けます。
解決方法
- 消費者センターに連絡のうえ、近隣の事例を聞いてみる
- 民事や、詐欺での刑事訴訟も検討しておく
予防方法
- 施工費用の支払う時期を業者に事前に聞く
- 全額を前払金で要求する業者とは契約しない
- 業者名をネットで検索し、創業年数や評判を予め調べておく
「外壁塗装の後」に起こるトラブルと解決・予防方法
外壁の仕上がりがイメージと違う、気に入らない
思っていたイメージの色と施工後の仕上がりが違い「ん?」となるケースがあるようです。
このような事が起こる原因として、色見本で見たときの印象と、実際の家のように大きな面積に施工された印象が、人によって異なるように感じるからです。
しかし施工が終わってしまうと、使用する塗料の色を間違えていたなど業者の不手際でない限り、無料でやり直してもらうのは困難です。
「思っていた感じと違うな」と感じたら施工途中でも早めに業者に相談してみましょう。
解決方法
- 上塗りを開始した際に色味の確認をする(きちんと、業者との打ち合わせ)
- 追加料金の交渉をし、塗り直しをしてもらう
予防方法
- カラーシミュレーションだけでなく、実物の素材サンプルを確認する
- 室内ではなく、晴天の屋外できちんとサンプルを確認する
数ヶ月から数年で、塗料が剥がれてしまった
工事後すぐに塗膜が剥がれたり、浮いてきたり、色褪せしてしまったら、業者の施工ミスや手抜き工事の可能性が高いです。
また台風などの自然災害が原因であれば、火災保険で補償される場合もありますので、調べてみましょう。
解決方法
- 工事の見積もり書や契約書を確認。保証期間内かどうかを確認し、業者にやり直してもらう
予防方法
- 保証期間をきちんと明記していない業者とは契約しない
- 「オリジナル塗料」を謳う提案に気をつける
保証を受けたいが、業者と連絡がつかない・倒産していた
通常、業者が倒産してしまった場合、保証もなかったことになってしまいますが、工事前に業者に依頼して「リフォーム瑕疵保険」に入っていれば、公的な機関に補償してもらえます。
不安な方は、工事前に加入を検討しましょう。
解決方法
- 住宅リフォーム事業者団体による「リフォーム瑕疵保証」を利用する(リフォーム瑕疵保険に加入するのは施主ではなく業者のため、業者が住宅瑕疵担保責任保険法人に事業者登録していなければならない)
予防方法
- 工事契約の際に、リフォーム瑕疵保険に加入したい旨を伝える
意図していなかった部分まで塗装されてしまった
塗装箇所は、見積もりや工程表に記載されているので、このトラブルは施主側の見落としや思い込みである可能性が高いです。
万が一、雨樋や軒先、サッシなどの金属部、エアコンの化粧カバーなどが意図せず塗られてしまったときは、見積もりや工程表の書面を確認しましょう。
塗装箇所として記載されていなければ、業者側の過失でやり直しをしてもらえます。
これらを防ぐためには、見積もりの時点で細かく記載してもらうように伝えましょう。
業者は、指示しない限り配管なども塗装してしまうケースが多いです。
理由としては、マスキングをする手間が増えるからです。
解決方法
- 見積りや工程表の書面を確認し、塗装箇所としてきちんと記載されているか確認する
- 記載されていなかった場合は、業者にその旨を説明し、再度提出してもらう
予防方法
- 口頭でも塗装箇所の説明を求める。またその説明を録音しておく
「自社のオリジナル塗料」が、実際はメーカー製の塗料を薄めたものだった
業者が「オリジナル塗料」と高品質を謳って相場より料金を高額にしたり、逆に安い見積もりを出して粗悪な塗料を使ったりといった事例もあるようです。
オリジナル塗料を使用する場合は、工事の途中でも契約通りの塗料を使っているか、指示通りの工事をしているか、しっかりと確認しましょう。
解決方法
- 保証期間を確認する。期間内に施工不良が出た場合にはやり直しを求める
予防方法
- 実態のわからない「オリジナル塗料」を信用しない、契約しない
- 見積もり書に記載されている塗料名をネットで検索し、機能や評判を調べる
- 見積もり書に、具体的に塗料名を記載しない業者は信用しない
見積もり書と違う金額を請求された
施工後にも追加工事などを理由に、見積もり書より高い金額を請求される場合もあります。
解決方法は、工事中に上乗せを要求された場合と同じです。
解決方法
- 納得できない場合、その場では応じず「消費者センターに相談して対応する」と業者に言いましょう
- 弁護士などに相談する
予防方法
- 言った 言わないを防ぐため、追加工事が発生する場合は、必ず見積もり書や契約書を別途交わす
トラブルが起きたときの相談先
ではもし上記以外のトラブルが発生したら、どこに相談すればいいのでしょうか。
次は、トラブルの内容によるそれぞれの相談先を解説していきます。
塗装業者
外壁塗装になんらかの不具合があった場合は、まずは施工業者に相談します。
不具合の原因が業者のミスだった場合は、無償でやり直してもらえるケースもありますが、業者の保証には条件もありますので、契約する前にしっかり確認しましょう。
住宅リフォーム・紛争処理支援センター
手抜き工事をされた場合や、不当に高額な請求をされた場合など、業者に関するトラブルが発生した場合は「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」や「国民生活センター」に相談しましょう。
「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」は、建築士や弁護士が在籍しており、リフォームに関する専門的な知識を持った人に話を聞くことができます。
国民生活センター
「国民生活センター」は、リフォームに関する専門的な方が相談に乗ってくれるわけではありません。ですが、「リフォーム訪問販売」など多数相談が寄せられている案件に関しては対処法をアドバイスしがもらえるでしょう。
明らかに詐欺などが疑われる場合はこちらに相談しましょう。
保険会社
完工後しばらく経過したのち、外壁塗装に問題が発生した場合、業者の保証期間内であれば無償で補修してもらえるケースがありますが、万が一、業者が倒産してしまった場合はその保証も無効になります。
そのようなリスクをなるべく回避したい方は、塗装工事を行う際に事前に「リフォーム瑕疵保険」に加入するようにしましょう。リフォーム瑕疵保険に加入していれば、倒産した業者に代わって補修工事の代金を補ってもらうことができます。
弁護士
専門機関に相談してもなかなか解決しない場合などは、弁護士に相談してみましょう。
ただし、弁護士への相談は有償なのが一般的で、各相談窓口へ連絡した後の最終手段としておきましょう。
外壁塗装のトラブルは年間7,000件近く発生
外壁塗装に関するトラブルは、現在も少なくありません。
公益財団法人住宅リフォーム・住宅紛争処理支援センターには、リフォームに関する相談が年間 6,818件(2017年度)寄せられ、そのうち約20%が「外壁や基礎のひび割れ」、約10%が「外壁や内装などのはがれ」という内訳でした。
他にも国民生活センターには「悪質な塗装業者」に関する相談や「リフォーム訪問販売」に関する相談も寄せられているようです。
トラブルを予防するため心がけ
「お金の約束や受け渡しを、書面や録音に残すこと・即決しないこと」です。