外壁塗装の予算がなくても避けるべきこと

初めて塗装工事をご検討の方へ

戸建住宅の外壁塗装は高額な工事になります。

足場、下地処理、塗装などで、50万円~100万円を超えるケースもあります。

リフォーム費用を積み立てしているならまだしも、具体的な工事時期を予期していなかった場合、予算がない・・・と困ってしまいますよね。

このブログでは、予算が少ないからといって絶対にやってはいけないことについてまとめています。

外壁は放っておくとどんどん壁が劣化していき、そのうち雨などの浸入を防ぐ事ができなくなります。

そうならない為に外壁塗装工事は確実に必要なのです。

リフォーム費用を積み立てする場合、「10年に一度、100万円の外壁塗装工事する」と仮定して、毎月8400円積み立てると、10年で100万弱になり、それを外壁塗装工事予算にあてれば良いのです。

外壁塗装、屋根塗装をしないと家はダメになる

外壁塗装の予算が確保できないからということで、築10年以上、前回の塗装工事から10年経っていても外壁塗装を考えない方もいらっしゃいますが、外壁塗装を後まわしにすることはやめましょう。

外壁が劣化しているのにもかかわらず、外壁塗装をしないということは劣化が進んでいくことにつながります。

クラック(ヒビ割れ)や、コケ、カビ、チョーキング現象(壁に触る手に粉がつく)など、目に見える劣化現象が外壁に起きているのであれば、塗装を検討する時期となります。

しかし、クラックや汚れなどの具体的な劣化現象が起こってなく、見た目が綺麗な外壁の場合、外壁塗装を検討しにくいですよね。

ただ、綺麗に見えていても塗り替えを10年以上しないで放置してしまうと、紫外線や雨風にさらされた外壁の塗膜が劣化し、保護されていない状態の外壁がむき出しになります。

このまま塗装工事をしない場合は外壁自体が劣化してしまいます

劣化するまでの期間は、現在の外壁塗料の期待耐用年数(メーカーが定めた期間)にもよりますが、1つの目安として10年と考えておきましょう。

期待耐用年数の目安

一般的な外壁塗装で使われる塗料の期待耐用年数は以下の通りです。

塗料の種類期待耐用年数
アクリル系樹脂塗料 5~8年
ウレタン系樹脂塗料 7~10年
シリコン系樹脂塗料 10~15年
ラジカル制御型塗料 13~16年
フッ素系樹脂塗料 15~20年

特に屋根は、外壁以上に環境が過酷なため、より劣化しやすいです

ヒビなどが発生していたり、塗膜が劣化し無くなると、水が屋根材の中にまで浸入し雨漏りの原因となっている可能性もあります。

外壁塗装を考えていない場合でも、最低でも10年に一度は定期的なメンテナンスや、点検は確実にした方がよいので、業者にお願いしましょう。

無料で見てくれる業者もあるので、探してみましょう。

相見積もりでさらに値切るのは注意

リフォーム費用をできるだけ減らし、低予算内で工事をしたいと思う方も多いと思いますが、安くする方法にも注意が必要です。

現在、相場を知る方法として最も適切なのが複数社に見積もりを一度に行う「一括見積もり」という方法です。

複数社に見積もりを出してもらったときにやってしまいがちなのですが、「他社はもっと安く見積もりを出してくれているので、もう少し安くならないのか」と他社と比較して値切り交渉してはいけません!!

外壁塗装において、家の材質、旧塗料で何が使われていたか、外壁の劣化状況など様々な要因から必要な経費を算出し、相場内の予算で工事を行うのが良い塗装業者と言えます。

値切り交渉をしてしまうと、業者はよく思わないばかりか、塗装工程の必要な部分の費用を削ってしまう可能性があります

必要な部分の費用を削ってしまうと、業者も予算を確保出来ず、結果として手抜き工事の可能性が高くなります。

極端な例ですが、

  • 上塗りを一回にする
  • 足場レンタルの場合は一日でもはやく返却できるよう工事時間を無理して減らす
  • その他必要な人件費を減らす

などの経費削減をしてしまうのです。

外壁塗装は時間や予算をかけるべきところにかけて、安全を確保しながら行う必要があるのに、その安全を確保できなくなる可能性もあります。

例えば、足場を最も安価な単管足場と呼ばれる危険なパイプだけの足場を使用し、転落の危険もあります。

確実に安全に作業をしてもらうためにも、必要以上の値切りは絶対にやめましょう。

格安業者にお願いするのは危険

業者の中には格安で工事を請け負ってくれる業者が存在します。

相場70~80万円の工事なのに、30~40万円でできる、「納得価格」など謳っいる業者が格安業者と呼ばれます。

外壁塗装は元々の価格が高額なので、格安なほど良いと思いがちですが、安くするには必要な部分を削るしかなく、格安業者は必要な工程をきちんと行っていない可能性もあります

格安にしたいのであれば、

  • 足場のレンタル費用を安くするために施工期間の短縮を行う
  • 塗料を必要以上に薄め広範囲に塗る
  • 資格等を持っていないアルバイトに塗装をさせる
  • 業務用の威力十分な高圧洗浄機ではなく家庭用の安い高圧洗浄機を使う

など、最低限必要な部分をさらに削って手抜き工事を行うしかありません。

手抜き工事をされてしまうと、仕上がりが酷かったり、塗装は10年も持たず、早い段階で再度塗装が必要になります。

ただ、もちろん格安業者が絶対に手抜き業者という訳ではありません。

契約を急かしてくるのは悪徳業者の可能性あり

塗装工事をする業者を選ぶ際には、冷静になって決める事が必要です。

外壁塗装の状況を正しく把握せずに、急いで施工した方がよいと焦って契約しまうのは危険です。

悪徳業者は「直ちに塗装工事をしないと家が雨漏りしてしまい、危ないですよ」と、執拗に契約を迫ってきます。

しかし、外壁の状況は1ヶ月程度で急激に悪化するという事はほとんどありません

焦って契約してしまうと、冷静な判断力を欠き、相場よりも高めの金額であったとしても契約してしまう可能性があります。

悪徳業者は焦る心につけ込み、なるべく低予算で思う人の心にもつけ込んできます。

例えば、「屋根と外壁のリフォームは通常200万円のところ、本日中の契約なら100万円にします」と言われた場合、とても安いと思い契約を交わしてしまうかもしれません。

ですが実際、その悪徳業者が行う工事は100万円でも高すぎるほどの手抜き工事である場合がほとんどなのです。

中身が全く伴わない工事に100万円を支払い、完工後に消費者センターなどに相談する悪徳業者の被害は、リフォーム業界だけで毎年6,000件以上に及びます。

悪徳業者の割引き理由として

  • モニター価格です
  • あなたの家を塗ることによって地域の広告になるので営業に使わせてもらう
  • 足場を安く手に入れられる

などなど様々な理由をあげられるかもしれませんが、訪問販売の悪徳業者だけではなく、地域の塗装業者も焦らせる営業方法を使う可能性があるので、店舗型の業者だからといって安心しないように注意しましょう。

まず冷静になる手段として、家族に相談してみる、一括見積もりサイトを使用して相見積もりをしてみるなどがあります。

工事の工程を省くと数年で塗装が剥がれる

上記でも何度か解説していますが、高圧洗浄、下地処理、養生など塗装で必要な工程をやらずに工事をできるだけ低予算でしようとすると、塗料が外壁に密着せずに数年で塗料が剥がれてしまうという可能性があります。

例えば、塗装の予算がないからといって、

  • 本来2回しなくては行けない上塗りを1回のみにする
  • 高圧洗浄を行わない
  • 足場代がもったいないからはしごや脚立で作業をさせる
  • コーキング工事だけDIYで行う

などです。

業者が優良な塗装業者であれば、工事の工程については業者のやり方に従うのが、塗料の寿命を十分に生かせ、長い間外壁を保護する為に良い方法となります。

悪徳業者は逆に「この工程は省くことで金額を抑えられる」などと勧められる可能性があるので、工事の工程に関してはしっかりと自分でも確認しておきましょう。

低品質のものを使う施工は家の寿命が縮める

グレードが低い塗料は寿命も短い

品質がそこまで高くないもので、塗料のグレードで一番下に分類されるアクリル系塗料などを使うという事です。

グレードは耐久性とほぼ比例するので、安くてグレードが低い塗料ほど耐久性は低いと言えます。

一番人気があるシリコン塗料は確かにアクリル塗料よりは高額で、予算は多少上がりますが、急激に高くなるわけではありません。

しかし、耐用年数においてはアクリルの5年に対し、シリコン塗料は倍の10年~15年も持ちます。

そもそも使用塗料の代金が工事の全体に占める割合は2~3割程度なので、多少高くなったとしても、工事全体の費用に大きく影響を及ぼす訳ではないので、予算と塗料のグレードを考えながら、フッ素、シリコンなど塗装の予算内で出来るだけ長く外壁を保護してくれる塗料を選びましょう。

外壁が守られている時間が短いと、家はどんどん劣化していきます。

塗料の種類には、

  • フッ素樹脂塗料
  • シリコン樹脂塗料
  • ウレタン樹脂塗料
  • アクリル樹脂塗料

と色々ありますが、実際は10年~15年持つという長寿命でかつ費用が高額ではないシリコン系塗料が使われる事が多いです。

もちろん高品質なフッ素を使う事で外壁を長期間しっかり守ることができるので、家の寿命は延びます。

しかしフッ素は高品質な分、高額な塗料となります。

家の状況に合わせて適切な塗料を使用することが求められるので、ある程度の予算を伝え、業者にどのような塗料を使うのかを聞いてみましょう。

低予算にすると作業を適切に行われない可能性もある

塗装工事に使用される外壁用塗料や、サイディングの目地用コーキング材などは混ぜ合わせる量や乾燥時間など品質を高く保つための使用方法があります。

例えば、主材に硬化剤を適正な分量を量りながら徐々に混ぜていき、電動の攪拌機でしっかりと攪拌します。

その状態では、8時間ほどで硬化してしまうので、硬化しきる前に外壁や屋根などに全て塗りきってしまう必要があります。

そのほかにも、

  • 次の日の作業に塗料を残さないこと
  • 重ね塗りをするのであれば、乾燥時間をきちんと守ること
  • 乾燥時間も気温や湿度によって全く変わってくること

など、様々な要因を考慮する必要です。

もちろん優良な塗装業者であれば、問題なく施工してくれます。

しかし、悪徳業者はきちんと手順を守れば、高品質なものが出来ると分かっているが、工事費用を安くするために手抜き工事をします。

分量をきちんと量らず、攪拌もきちんと行わず、乾燥時間も適切ではないのです。

悪徳業者が作った低品質な塗料を塗っても塗りムラなどが出来てしまい、塗料本来の役割を担えません。

外壁と塗料がしっかり密着しないので数年で剥がれてきたり、チョーキング現象が起こったりといった不具合が表れてきます。

適切な手順を踏めないような業者とは決して契約しないよう注意しましょう。

屋根だけ、外壁だけなどの「部分的な補修」は結局高くつく

塗装を行う時は基本的には外壁、屋根とセットで工事するのが一般的で、足場代などをまとめることが出来るので安く工事できます。

逆に外壁だけ、屋根だけ、コーキングの交換だけで工事を終わらせようとすると、その都度足場を組む必要があるので、単純に2倍の足場代がかかることになります。

外壁と屋根の塗装は出来れば同じ時期に行うことをオススメします。

知識がない状態でのDIYは命の危険

予算の都合で、塗装の全て、または一部をDIYしようとする方もいるでしょう。

しかし、塗装工事はプロの業者が毎日何人も作業を行い、足場仮設、高圧洗浄、下地処理、塗装作業を手分けして行う事で効率良く作業できているのであって、DIYで素人が一人、もしくは二人といった少人数でできるほど簡単なものではありません。

塗装会社などに勤務しており、塗装の知識が豊富な方、そして塗装が趣味という方以外は安易なDIY塗装は絶対避けましょう。

ちなみに自分で作業する場合、足場、養生シート、マスキングテープ、塗料、刷毛、バケツ、ローラーなど全てを自分で揃えなければならないので、安さというメリットさえない可能性があります。

また現役の塗装業者の職人でさえ、

  • 塗装工事中に安全対策を怠り足場から落下する
  • 足場を持ちながら電線に接触する

などの死亡事故が起きるほど塗装工事は危険がたくさん伴う作業なのです。

低予算で外壁塗装を済ませたいという気持ちはわかりますが、安易にDIYをしようとするのはやめましょう。

まとめ

外壁塗装は一度の出費としては非常に高額で、できるだけやすくしたいという方が多いでしょう。

しかし、安全性や高い品質の工事にするため、ある程度の予算は必要で、省いてしまうと返って損をしてしまう可能性が高いのです。

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