前回の記事では「外壁塗装の見積もり[現地調査・打合せ編]」をお伝えしていきました。
現地調査と数回の打ち合わせを終えた後は[見積もりの確認]です。
しかし外壁塗装に関する知識がないと、見積もりをみても良く分からない事がほとんどだと思います。
そこで今回は、「打合せで出した希望は通っているか」、「怪しいところはないか」など、見積もりを確認する際に注意しておいた方がいいこと、読み取り方などご紹介していきます。
見積りの受け取り方法

現地調査を終え、打合せを数回し、外壁塗装業者さんが見積もりを作成します。
そして、見積書が完成したら、各業者さんからお施主様のご希望に合わせた方法で提出されます。
- 業者さんが持参
- PDFにしてメール
- お家まで郵送
しっかりと説明を受けながら受け取る事が出来る持参がおすすめです。
お時間がなくて結果を急ぐ場合はメールや郵送で受取後、電話でしっかりと説明を受けてください。
見積書には業者さんからお施主様への最善の提案がされていますが、意図までは見えにくい事があります。
しっかりと説明を受ける事が大事なポイントです。
一見不思議なことだとしても、相手はプロなので、説明を受けるとご自宅のことを実は一番考えてくれていたということも少なくありません。
最後に、どうするかの結果は必ずご連絡をお願いします。
見積もりは無料だったとしても、時間と労力をかけた後の連絡なしでは少し寂しい気がします。
見積りの概要

- 工事場所:塗装工事を行う建物の住所
- 工事箇所:工事を行う箇所の名称(外壁、外壁付帯部等)
- 工事期間:工事日数
- お支払い条件:ローン利用や分割払い、お支払期限等に関する項目
- 見積書の有効期限:自然災害などによって状況が変わる恐れがあるための項目※
- 見積金額:工事費用総計(税抜き、税込みの確認もお忘れなく)
- 塗分けの色数上限:ツートンなど色の塗り分けの際に使える色の上限※
- 保証内容:メーカー保証や自社保証などの塗料に関する保証※
- アフターサポート:施工後の定期点検やアフターメンテナンスに関する事項※
※注意点があるので後に記載する「見積もりを確認する際の注意点」に詳しく記載させて頂きます。
見積内容の詳細

足場工事に関する費用
- 仮設足場架工事★:塗装時に利用する足場の設置費用。※
- 飛散・落下防止ネット★:足場周辺に張るネットやカバー
★面積(㎡=平米)と面積当たりの単価が書かれていることを必ず確認してください。
足場費用に関してはこちらの記事に詳しく記載させております。
塗装前の下処理に関する費用
- 養生(マスキング):塗装か所とその周囲(窓枠等)をテープ等で区分けする処置。
- 洗浄★:塗装前に行う壁面の洗浄です(泥やカビ・コケなど塗装後の劣化原因を洗浄します)。大きく分けて高圧洗浄、トルネード洗浄、バイオ洗浄がありますがそれぞれ効果と費用が異なります。
- 下地処理・補修工事:外壁塗装では下地処理、下地調整などのワードで記載されることが多いです。ここでいう下地とは、塗料を塗る箇所=塗装面を指します。この塗装面を、より塗料の密着が高まるように、ひび割れのシーリング(外壁目地やサッシのシーリングとは異なる作業です)、剥がれた塗料の除去、サビ止めの塗布、凹凸をならすフィラーなどを行うことで、塗面を調整します。この作業が塗装後の持ちを決定するため非常に重要な項目になりますが、完成後に確認することはできません。どのような下地処理を行うか、またその必要性について必ず事前に確認しましょう。
★面積(㎡=平米)と面積当たりの単価が書かれていることを必ず確認してください。
洗浄に関しての詳しい記事はこちらになります
塗装に関する項目
- 下塗り★:塗装回数と塗料名(メーカー名と商品名)が記載されているか確認。下塗り用塗料の種類には大きく分けてシーラー/プライマー/サーフェイサーがあります。塗装面の素材と上塗りの塗料によって最適なものを選ぶ必要がありますので、必ずどんな特性の塗料を使うのか確認しましょう。
- 中塗り★:塗装回数と塗料名(メーカー名と商品名)が記載されているか確認
- 上塗り★:塗装回数と塗料名(メーカー名と商品名)が記載されているか確認
- 付帯部分塗装か所、仕様塗料名:一般的には軒天(軒裏天井:外壁と屋根をつなぐ部分)、雨樋、水切り、破風板、帯板、木面格子、雨戸等の壁の付帯部分も塗装します。工事完了後に、塗る箇所の認識が業者と違った!となりやすい部分です。必ず付帯部分がどこに該当するか必ず確認しましょう。
★面積(㎡=平米)と面積当たりの単価が書かれていることを必ず確認してください。
下塗りに関しての詳しい記事はこちらです。
その他の項目
- 廃材処理費等:諸経費に含まれる場合があります
- カラーシミュレーション費用:ご自宅の写真を元に、希望する塗料の色味をシミュレーションするサービス(基本無料)※
- 塗装不可箇所:塗装範囲の中でもアルミ部分など塗装できない箇所がある場合があります。必ず確認しましょう。※
塗装工事の見積書の読み方

まずは見積書の基本的な見方を知らなくては理解することも難しく、「見積書をチェックしたくとも見積書に書いてあることがわからない」とお困りの方もいらっしゃいますよね。
ですのでまずは見積書の基本的な読み方を解説します。
単位 数量 単価 金額
外壁塗装の見積書は基本的にに、「バイオ洗浄」や「足場設置」など、工程ごとに「単位」や「数量」、「単価」や「金額」が書いてあります。
「金額」は、その工程の「数量」と「単価」を掛け合わせたものです。
たとえば「185㎡に中塗り材を塗る」という工程があった場合、1㎡あたりの作業価格が500円だとすると
- 単位 は ㎡
- 数量 は 185
- 単価 は 500
- 金額 は 数量(185)×単価(500)=92,500(円) になります。
※小数点以下省略
単位の種類
基本的な単位の種類は、「㎡」「m」「式」の3つです。
「㎡」で表すのは難しい「鉄部塗装工事」や「色数追加費用」などは「1 式 ~円」のかたちで記載にされます。
下塗り・中塗り・上塗り
壁を塗装するという工程の名称に「下塗り」「中塗り」「上塗り」があります。
塗装について詳しくない方ですと「下塗りとは?」と疑問に思うかもしれません。
外壁塗装は、基本的に塗料を3度塗りします。「下地材」や「下塗り材」といった塗料を「下塗り」の工程で塗布、その上に「上塗り材」や「上塗り塗料」といった塗料を塗り、「中塗り・上塗り」で2度重ね塗りして完成です。
コーキング施工
外壁塗装工事のほとんどでは、見積書の内訳に「コーキング施工費」が入っています。
「コーキング施工費」は、外壁のサイディングボードと呼ばれる材質が使用されている場合は、必ずと言っていいほど必要な施工です。
サイディングボードの外壁は、ボードとボードのつなぎ目を埋めるコーキングと呼ばれる硬いゴム状の建材の定期的な補修が必要です。外壁塗装の際にコーキング補修も一緒に施工するのが一般的です。
見積もりを確認する際の注意点

見積もりの読み方が分かったところで、お次は見積りの注意点です。
〇〇と書いてあるが、実は□□といったこともあるので、認識の相違が起きないようにしっかり確認しておきましょう。
有効期間:外壁は常に紫外線や雨風からダメージを受け続けており、状態は変化します。見積書受け取り後に台風や豪雨などが来ると、劣化が進行する可能性もありますので、有効期限が設けられている見積書がほとんどです。
保証内容: 特に保証期間と保証される塗料メーカーが書かれているかを確認してください。また保証プランによって金額も変わってきますので、他にはどのようなプランがあるのか聞いてみるのもよいでしょう 。
アフターサポート:どのようなアフターフォローがあるのか具体的な説明をしてもらいましょう。名ばかりのアフターフォローをしている業者もあります。
足場:万が一、見積書の足場項目が無料になっていた場合は諸経費などの項目に上乗せされている可能性がありますので、諸経費やその他の項目が相場より高い場合注意深く確認してください。
洗浄:必ず何洗浄なのか確認し、その洗浄を選択した理由を確認しましょう。
下地処理:どのような下地処理を行うか、またその必要性について必ず事前に確認しましょう。
塗装不可箇所:塗装箇所を聞くと、手すり、雨樋など付帯部がたくさんあり、漏れも出てくるので「塗装しない箇所」を聞いてメモしておくと良いでしょう。
カラーシュミレーション:多くは無料で行っているサービスですが、シミュレーション回数などに上限がある可能性もあるので確認しましょう。
- 有効期限1か月以上
- 工程ごとに細かく分かれているか
- 使用する塗料の製品名の明示
- アフター体制はしっかりしているか
- 担当営業の説明が丁寧か
特に、上記の事に注意しながら優良塗装業者を見極めていきましょう。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は外壁塗装の見積もり[見積確認編]ということで
見積りの読み方、読む際の注意点などをお伝えさせて頂きました。
何かご参考になれば幸いです。
見積もりについての記事はこちらも。
お読みいただきありがとうございました。
次回は外壁塗装の見積もり[契約編]です。
何かご参考になればと思います。次回も是非お読みください。