近年、コロナ禍による外出自粛やテレワークの普及によりDIY(Do It Yourselfの略称、専門業者に依頼せず自分自身で何かを作ったり修繕する事)を趣味とする方が増加傾向となりました。
本格的な家具の作成やリノベーションを行ったことのある方なら、外壁塗装もDIYできるのではとお考えになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は外壁塗装はDIYできるのかについてご紹介していきたいと思います。
外壁塗装はDIYできる?
結論から申し上げますと、外壁塗装のDIY自体はやろうと思えば勿論出来ます。
しかし、オススメは出来ません。
では何故外壁塗装のDIYはオススメ出来ないのかご紹介していきます。
危険
外壁塗装のDIYを行うとなると、家具や内装のDIYとは違い高所作業は付き物です。
家の高さは、2階建てで7~9mほどもあります。
足場を個人で借りるとなるとまず足場設置費用のみで20~25万円かかります。その為、外壁塗装をDIYする方はハシゴや脚立を使用する方が多いのですがしっかりと固定されていない等の理由により倒れて怪我をする可能性があります。慣れない塗装作業を、不安定な場所で行う事はかなり危険です。
時間とコストがかかる
外壁塗装をDIYすれば、専門業者に頼むよりも安く出来てなおかつ簡単なのではないかと思う方は一定数いらっしゃいます。
しかし外壁塗装はただ壁を塗ればいいというものではありません。折角DIYで外壁塗装をしても綺麗に塗れていなくて、結局専門業者に頼むとなると時間もお金も無駄にしてしまうだけでなく通常よりも費用が高くなってしまう事も。
外壁塗装をDIYする場合の費用(各項目と注意点)
1.足場設置
足場の設置を個人で頼んだ場合:20~25万円
※約30日の費用なので、どのくらい日数がかかるかによって費用の変動があり得ます。
※足場に登り慣れていない為に、階段を設置するとなると料金が高くなりますので日数と合わせ足場設置業者へ確認が必須となります。
2.高圧洗浄
高圧洗浄機:2万円前後
※高圧洗浄により外壁の洗浄をきちんと汚れを落とさないと、塗料との密着性が下がります。
※汚水が飛ぶため、お洗濯物は干せません。また、窓を開けてしまわないように注意してください。
※水圧等を間違えると逆に外壁を傷つけてしまう事になるので注意が必要です。
3.養生
・マスカー(幅300mm×長さ25mm):200円前後
・マスカー(幅1800mm×長さ12.5mm):250円前後
・ラスター:150~500円前後
・ガムテープ:100円前後
※養生は窓や玄関ドアなどに塗料の付着を防ぐために行います。養生がきちんと行えていないと、掃除をするはめになり無駄に時間と費用がかかる場合も。養生は丁寧に行いましょう。
4.下地処理
コーキング、ヒビ割れ補修等
・コーキング材:1本 600~900円前後(必要個数目安30本以上)
※その他プライマー、マスキングテープ、ヘラ、コーキングはがし(スピンカッター)等も必要となります。
※ヒビがある場合には別途ひび割れ補修も必要となります。
※コーキングの打ち替えは難しい作業となりますので難しいと感じた場合には無理せず専門業者へ依頼しましょう。
5.下塗り・中塗り・上塗り
上塗り塗料:1㎡あたり1800~5000円前後
下塗り材;1缶5000円から
※安いからと耐久年数の低いものを使用すると結局すぐに塗り替えが必要となり余計に費用がかかってしまいます。
※十分な乾燥期間を確保することが大切です。
外壁塗装DIYの際の合計費用:30~60万円程
※最低金額は足場を借りず、ハシゴを使用した場合の費用となります。
※足場の利用期間によっても金額はかなり前後いたします。
目安工事期間:2~3カ月程
※外壁塗装にどの程度時間を費やせるかによってかなり前後いたします。
専門知識がないと起こり得る現象
外壁塗装について専門知識のない方が塗装を行うと下記のような現象が起こり得る場合が御座います。
塗膜剥離
使用する上塗り材専用の下塗り材を使用しないと塗膜が剥離してしまいます。
下塗り材の塗布量不足や下地処理が十分に行えていない場合にも同様の現象が起こり得る可能性があります。
白亜化現象(チョーキング)
塗膜成分(合成樹脂や顔料)が劣化して塗膜表面に微粉がゆるく付着したような外観になる現象のことです。外壁に手を当てた時に、白っぽい粉が付着してしまいます。
高圧洗浄が不十分であったり、しっかり行えていても乾燥時間が不足していた・塗料を規定より薄めてしまっていたり、攪拌が不十分だった・雨の日や湿度が高い日、推奨気温を気にせずに塗装をした・使用する上塗り材専用の下塗り材を使用しなかった・各工程で十分な乾燥時間を設けなかったなどの理由で塗料の耐候年数よりも早く白亜化現象(チョーキング)が起こってしまいます。
塗膜の膨れ
外壁内部に水が侵入し、蒸発する際に内部で膨らみを作ってしまい塗膜が水膨れのように膨れてしまう現象のことです。
使用する上塗り材専用の下塗り材を使用しなかったり、下塗り材の塗布量不足により起こり得る。
塗膜の白濁
塗膜が十分に乾燥する前に雨や結露など水分の影響を受けるとその水分を吸収してしまい塗料の状態に戻ってしまう事で(再乳化)、その箇所が白濁(白い点々が付く)してしまう現象のことです。
仕上がり差(光沢差)
仕上げの際のローラーの方向が異なっていたり、塗装の際の付着する塗料の量が違う事で正面や斜め方向から見たときに光沢が異なってしまうことです。
まとめ
外壁塗装は、建築業の中でも難しい業種となります。
折角時間とお金をかけたのに専門業者にやり直してもらう事になったとなると、最初から専門業者へ頼んだ場合よりも高くなってしまう事も。
外壁塗装を安く済ませたいと考え、DIYをご検討中の方はまずは一度外塀やお家のあまり目につかない場所から作業してみるといいかもしれません。
少しでも不安な方は無理をせず、きちんと専門業者へ依頼するようにしましょう。
※外壁塗装のDIYはオススメ出来ません。当サイトは、外壁塗装のDIYを推奨するものではない為あくまでも自己責任となってしまう事予めご了承下さい。