「外壁塗装って大体いくらくらいするの?」「屋根も一緒に塗らなきゃいけないの?」住宅の外壁は、一般的に10年ごとに塗装が必要と言われています。築9年ごろから、「そろそろ塗装のこと考えなきゃな……」と思われる方が多いのではないでしょうか。
まずは、『外壁塗装の費用相場はいくらなのか』という質問に端的にお答えします。
一般的な30坪の戸建て住宅の場合、外壁塗装にかかる費用は80万円~130万円ほどが相場です。屋根と外壁の両方を塗装する場合は、120万~140万円ほどかかります。
今回は 「家の坪数ごとの費用相場」「主な塗料の種類別の施工価格相場」「塗装費用をできるだけ安くする方法」「注意点」 についてご紹介します。外壁塗装工事で損をしないように是非読んでみてください
外壁塗装の坪数における費用相場の価格表

まずは坪数ごとの費用相場を見ていきましょう。
使う塗料や外壁の材質などの条件によって価格は変わってきますので参考程度に眺めてみてください。

(よく混同されがちですが「建坪(建築面積、1階部分の床面積)」とは違うため、ご注意ください。)
「1階20坪、2階10坪」の2階建て住宅なら30坪。「1階20坪、2階10坪、3階10坪」の3階建て住宅であれば40坪の欄を参考にしてください。
何によって相場は決まるのか

外壁塗装の価格を左右するのは塗装面積です。
塗装面積とは全体の外壁面積を出し、窓など塗装しない部分の面積を引いたものです。
正確に計測するのは大変なので、今回は簡易的に塗装面積を計算する方法ご紹介します。
塗装面積(㎡) = 延床面積(㎡) × 係数1.2
延床面積(㎡)=坪数×3.3㎡ (1坪=3.3㎡とする)
(例)2階建て(1階15坪+2階15坪) 延床面積:30坪×3.3=約99㎡・塗装面積:99㎡×1.2=118.8㎡
坪数ごとの延床面積や塗装面積の概算は、以下の表を参考にしてください。

※係数を1.1〜1.7の範囲で計算
※小数点以下を四捨五入
屋根も塗装する場合の費用相場

外壁塗装と屋根塗装を合わせた費用相場は、80〜140万円前後です。
例えば30坪の建物であれば、80〜125万円くらいとなります。
坪数や屋根の大きさ・形状によっても変動しますが、外壁塗装の費用に屋根の塗装代30〜40万円がプラスされると考えておくとよいでしょう。
外壁や屋根の工事では、足場を組む費用が坪数によって8〜30万円ほどかかる場合があります。
ですから外壁・屋根の工事を一緒に行い、足場設置代を1回分お得にするため、外壁と屋根をまとめて塗装する方も多くいらっしゃいます。
外壁と屋根の工事を、まとめて行うか別々に実施するか迷われている場合でも、塗装業者に一度相談し、予算やご希望に合ったプランを提案してもらいましょう。
見積もりは無料でしてくれる外壁塗装会社がほとんどです。
外壁塗装の費用の内訳

外壁塗装の費用には、塗装工事代だけではなく、足場代などもかかります。
以下は、延床面積30坪の見積書の例です。内訳を確認していきましょう。

無料で見積もりをとろう
大事なお家の塗装工事ですので慎重に行いたいですよね。
無料で見積もりをしてくれる塗装会社が多いので何社か見積りをお願いすることをおすすめします。
外壁塗装の見積は、外壁塗装業者によって異なる

実は、あまり知られていないのですが、外壁塗装の依頼先によって、最大で100万円近く費用が変わります。 「失敗しないためにはどの業者に頼めばいいの…」と不安に思われている方は多いかもしれません。外壁塗装を依頼できる業者ごとの特徴をまとめましたので、ぜひご覧ください。
外壁塗装の依頼先一覧
①大手ハウスメーカー
:アフターフォローが充実。他よりも100万円前後高いことも。
②リフォーム工務店
:ハウスメーカーよりは安いが、塗装専門外の業者の場合、失敗することも
③地域密着型の塗装業者(おすすめ)
:一括見積もりサービス などに登録していることが多い。費用を安く抑えつつ、施工品質も重視したい方向け。
また、塗装業者の選び方についてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
塗装工事費用における注意点
見積もり額は、建物の形状や劣化状況によって大きく変わります。
矛盾するようですが、実はこの外壁塗装業界自体「相場があってないようなもの」と言われています。
見積もる業者や塗料によって金額が最大50万円も違ってくることも。
そのため、ネット上の費用相場を鵜呑みにするのではなく、必ず一度はプロの目で見てもらうことが大切です。
外壁塗装の見積書の見方

「式」「一式」「その他」などと、一括りにまとめられているケース

このような見積書を提示された場合は、塗装業者に具体的な内訳を聞き、納得がいくように説明してもらいましょう。
してくれなかった場合は依頼することを避けた方がいいかもしれません。

足場・養生の範囲や単価、塗料の種類や塗装面積などが具体的かつ明確に記載

見積書の内容で少しでも疑問点があれば、遠慮なく質問してみてください。
対応の仕方によって、信頼できる業者か見極めるヒントにもなります!
塗料の種類によって変わる外壁塗装の費用相場
外壁塗装で忘れていけないのは、「どんな塗料を使って外壁を塗るのか?」です。一般的に、耐久性が高い塗料ほど、費用が高くなる傾向にあります。
実は、外壁塗装に使われる塗料はその数千種類にもわたります。初めての方は、まず基本となる6種類の塗料を覚えておきましょう。

外壁塗装は3回塗りが基本ですが、悪徳業者は「1回塗りあたりの単価」として上記と同じような価格を提示してくることがあり、この場合はトータル費用が高くなってしまいます。
見積書を確認する際には、内訳と総額、どちらもチェックするようにしてください。
このなかでも、シリコン塗料とラジカル塗料が特に人気の高い塗料です。
しかし、安いからという理由だけで塗料を選んでしまうと、耐久性が低く数年しか効果が持続しない可能性もあります。再度塗り直しになってしまうと結果的に高くなってしまうので、この記事を見て自分のお家に合った塗料選びをしましょう。
外壁塗装費用を相場より安く抑える方法とコツ、注意点
相場の範囲内で、かつ少しでも費用を抑えるためには、どのような準備が必要なのでしょうか?
下記のようなつのアイディアがあるのでご参考にしてみてください。
施工時期を梅雨・冬にする

梅雨や冬は外壁塗装に向いていない時期のため、工事費用が安くしている外壁塗装業者が多いです。
ただし、梅雨・冬は、雨や雪などにより作業が中断しやすく、工期が長くなってしまいやすいというデメリットもあります。
工期の延長によって追加費用を請求されることはほぼありませんが、工事期間と塗装費用のそれぞれをどの程度重視したいかも考慮した上で、塗装時期を決めると良いかもしれません。
地元密着・自社施工などの業者は安い可能性が高い
地元密着型の業者や自社施工の業者に依頼すると、大手のリフォーム会社と比べて安くなる可能性があります。
大手の会社は、下請け・孫請け業者に作業を委託・発注することがほとんどのため、紹介料などの中間マージンが発生し、割高となってしまう例が多いのです。
一方、地元密着の業者などは自社のスタッフが施工を担当することが多いので、余計な費用が発生しにくい傾向があります。
火災保険で約20万円お得に

火災保険によって、条件次第で約20万円ほど安くなります。
適用条件は限られますが、外壁塗装・屋根塗装などの外装工事は火災保険を活用してリフォームすることが可能です。
火災保険には、大きく3種類あり、補償範囲や自己負担金額が異なるため、まずは自宅がどの種類の保険に加入しているのか?をチェックしましょう。
また台風や大雨などによる被害を修復するための工事であれば、火災保険が適用されるケースも見られるので、当てはまる可能性がある方は、ご自宅の保険証書をチェックしてみてください。
ただし、「火災保険で無料で修理できます」という勧誘は悪徳の可能性が高いため注意が必要です。
補助金で約20万円お得に
自治体で定められている場合、目安として10万~30万円ほど補助金を受け取れる可能性があります。
もし補助金のご利用をお考えの場合、補助金・助成金の適用条件・金額は自治体により異なるため、各自治体のHPで最新情報をチェックしてみましょう。
補助金について詳細をお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。
リフォームローンで15万円お得
実は「貯金をして2~3年後に塗装する」よりも「ローンを活用して今塗装する」方が、約15万円ほど安くなります。これは、2~3年間の貯金の間にさらに家の劣化が進行し、結果的に修繕費が跳ね上がり、ローンの金利よりも高額になってしまう、ということです。実際に、次のシュミレーション例をご覧ください。
シミュレーション例
- ■条件
- ・ローン対象額:100万円
- ・支払回数:120回(12カ月×10回)
- ・実質年利:2.5%
- ■結果
- ①貯金して2年後に塗装
- ・想定費用:100万円
- ・追加費用:20~30万円(2年の劣化)
- ・支払総額:130万円
- ②ローンで今すぐ塗装
- ・想定費用:100万円
- ・追加費用:13万円(2.5%/120回)
- ・支払総額:113万円(約15万円得)
住宅ローン減税で40万円お得
あまり知られていませんが、住宅ローン減税(住宅ローン控除)は外壁塗装などのリフォームの場合にも受けることができます。
住宅ローン減税とは、居住用の住宅ローンを利用している場合、年末時点で住宅ローン残高の1%分(最大40万円)を所得税から控除することができる、という制度です。
次のような住宅ローン減税適用の条件が複数あります。
外壁塗装の支払い
外壁塗装の支払いは、現金で行われることが多いですが、最近ではクレジットカードやローンに対応している業者も増えています。
塗装工事がうまくいっても、支払い時にトラブルが起きてしまうと、お互いに気分がよくないものですよね。支払い方法についての注意点や、よくあるトラブルと対処法についても確認しておきましょう。

現金
現金払いの支払いのタイミングとしては、次の4タイプがあります。
一括後払い
最も安心できる支払い方法です。
工事が完全に終わった後に支払いを行うので、業者にお金を持ち逃げされる心配がありません。
2回払い
施工前と施工後に、着手金・完工金として2回支払う方法です。施主の方には「一度に100万円近くの大金を払わずに済む」というメリットが、業者側には「安心して塗装工事ができる」「施工前に入金された金額を塗料などの原材料費に当てられる」というメリットがあります。
3回払い
施工前・施工途中・施工後の3回に分けて支払う方法です。
建物や工事規模が大きく、費用が莫大になる時に使われる方法ですが、一般的な一戸建て物件の外壁塗装で「3回払い」が採用されることは、ほとんどありません。
一戸建ての工事で3回払いを指定されるようであれば、注意したほうがよいかもしれません。
一括後払い
施工前に全額を支払う方法です。
たいていの業者であれば、施工前に全額を振り込ませることはないでしょう。
悪徳業者の場合「お金だけを受け取り、そのまま工事を完了せず連絡が取れなくなる」というケースもあります。
一括先払いで契約を迫る業者には、工事を依頼しないほうが無難と考えられるでしょう。
クレジットカードでの支払い
近年ではクレジットカードでの支払いに対応している業者も、多く見られます。カード払いは決済が簡単なことに加えて、カード会社独自のポイントが付与されやすいことも大きなメリットですよね。
一括払いにするか分割払いが可能かどうかなどは、塗装会社に確認してみましょう。また、カードの利用可能額や手数料なども事前に調べておくと安心です。
ローン
外壁塗装は60〜100万円近くかかるため「2回払いや3回払いでも支払うのが難しい」という方もいらっしゃるでしょう。
そのような時には、ローン対応の塗装業者を検討するとよいですね。
外壁塗装でローンを利用したい場合は、主に4つの選択肢があります。
・外壁塗装の業者に相談
・住宅ローンの借り入れ先に相談
・銀行に相談
・他の信販会社に相談
すでに住宅ローンを利用中の場合には、同じ借り入れ先に相談するとよいでしょう。
場合によっては、リフォームローンと住宅ローンの一体型の商品に借り換えできるかもしれません。 金利や条件などはそれぞれの借り入れ先で異なるため、可能であれば比較したいところですね。
塗装業者によっては、提携ローンを紹介してくれる場合もあるので、工事の内容とあわせて相談してみてはいかがでしょうか。
ただ、リフォームローンを使えば一時的な出費を抑えることはできますが、担保が必要になることや金利が発生し、結果的に費用がかさむことがあると認識しておきましょう。
また、住宅ローン・リフォームローンは確定申告で減税対象になることもあります
住宅ローンやリフォームローンを活用される場合には、工事にかかった費用や、住宅の床面積、年収などの諸条件が合えば、減税制度(所得税の減額措置)の対象となる可能性があります。
確定申告の際にご自身で申請する必要がありますが、実質コスト節約に繋がるため、ローンを利用される方はチェックしておくといいかもしれませんね。
まとめ
ここまでの内容を簡単に整理しておきましょう。
30坪の家の場合、外壁塗装の中心価格帯は80万円~130万円で、平均価格は109万円です。屋根塗装もセットで行うと、120万円~140万円が相場です。
ただし、家の広さや塗料の種類、業者によって、実際にかかる費用は変わってきます。
外壁塗装の費用は「塗料・付帯工事・業者」の3つで決まります。選び方次第で、最大100万円近く金額が変わるので、慎重に選びましょう。
外壁塗装を安くする方法には、「3社以上から見積もりを取る」「火災保険や助成金を活用する」「リフォームローンを活用する」などがあります。
外壁や屋根の塗装は、費用がかかる上、ご自宅の外観の印象を左右する大切な工事。
失敗は避けたいですよね。
だからこそ、じっくりと時間をかけて複数の業者を比較し、依頼先を決めることが大事です。
値段も仕上がりも満足できる、理想の外装にリフォームを実現しましょう!
