埼玉県の屋根塗装・外壁塗装で助成制度についてご紹介します。塗装に関する助成金制度の対象となりやすい塗料の性能と、助成金で結局お得になるのかということについて記載していきますが、本サイトでは埼玉県で助成金を利用するにあたり見落としがちなポイントについて言及していきます。
助成金の対象とは?
同じ市区町村の塗装業者による施工が対象になることがある!
塗装に関する助成金の場合、建物の住所と同じ市区町村の業者であることが条件になることがあります。しかし、塗装業者選びは市区町村ではなく対象エリアで一番優秀な業者を選ぶべきだと以前の記事でも言及しています。
本記事を最後まで読んでいただくことで、助成金制度目的だけで業者を決めるべきではないことをお判りいただけると思いますので、是非最後までお付き合いください。
遮熱効果のある塗料を使った塗り替えが対象!
多くの方は「なぜ塗装に行政の助成制度があるのか?」という疑問を持つのではないでしょうか。その答えは、太陽光や地熱などのクリーンエネルギー活用・高遮熱対策などによるホームエコや省エネに関する工事に対し一定の費用を助成することで、地球温暖化対策や都市部でのヒートアイランド現象・電力消費の増大などの環境問題の改善を住宅単位でも推進できるからです。
助成対象となる工事や設備増設は多岐にわたりますが、屋根や外壁塗装の工事では高遮熱の塗料や高断熱の塗料を使用した塗り替えが対象になります。
高遮熱/高断熱効果のある塗料とは
家を建てる方や、外壁・屋根塗装を検討中の方は、必ずと言っていいほど高遮熱(こうしゃねつ)、高断熱(こうだんねつ)という言葉を耳にしたことがあるでしょう。みなさんはそれぞれの違いや意味をご存じでしょうか?
遮熱と断熱の違いを知ろう!
塗料でいう「遮熱」とは日射(太陽光)を吸収しないように反射させることを意味します。この光=熱源を反射させることで夏場の室内の温度上昇を防ぐことができます。この反射させる性能を表すのが「日射反射率(熱反射率)」といい、この数値が高いほど遮熱性が高いということになります。
また、「断熱」とは、熱の伝達を防ぐことを意味します。熱の伝達を防ぐことで、夏場は熱い外気から冬は寒い外気から、それぞれ家の中の温度を守ることができます。この熱の伝達を防ぐ性能のを表すのが「熱伝導率」といい、伝導率が低いほど高断熱といえます。
冬も夏も快適に過ごしたいのであれば断熱塗料、夏の暑さに重点的に対策したいなら遮熱塗料ということですね。
普通の塗料と料金に違いは?
通常の塗料と比べ遮熱塗料は屋根用の場合2~3倍する場合があります。しかし、多くの遮熱塗料は耐久年数も2~3倍と、長期的に考えれば大差はありません。工事費用全体で考えると、工事回数を減らせる分安くなる可能性もあります。
実は遮熱と断熱の性能に統一規格がない!?
2020年の現時点では、遮熱性を意味する「日射反射率」については下記のJIS規格(日本産業規格)が制定されています。2005年の京都議定書の効力が発生した後に、ここ10年程度で制定された新しいJIS規格なのです。
・「塗膜の日射反射率の求め方」JIS K 5602 (2008年~)
・「屋根用高日射反射率塗料」JIS K 5675(2013年~)
・「塗膜の熱性ー熱流計測法による日射吸収率の求め方」JIS K 5603 (2017年~)
しかし、残念ながらこのJIS規格はあくまで屋根用塗料に限定したものであり、日射反射率は塗料の色(明度)による影響を受けることにも言及しており、この規格を元に消費者が客観的に性能を判断できるかといわれると難しいものでした。
また、現状は遮熱に関する規格が先行しているため、断熱塗料の性能についてはそういった規格の制定がなく、反射・断熱・放射・伝熱を全て加味した省エネルギー性能についての規格が存在していません。
つまり上記の規格では「塗料の省エネルギー性能」についての規格としては十分ではないといえます。(今後「塗料の省エネルギー性能」についてのJIS規格が制定さらる見通しです)
助成金制度で使用されている塗料の規格は?
本当の意味での省エネ性能に関する統一規格がないことから、現行の助成金制度では「遮熱」の性能のみに特化した基準が採用されていることが多いです。つまり、JIS規格が制定されている「日射反射率」という数値です。
助成金の受給申請条件に、日射反射数値が〇〇%以上とかかれている場合は、この数値を下回る塗料を使用した場合は対象外になるので注意が必要です。
助成金で結局お得になるの!?
さて、どういった経緯で助成金が作られ、どういった基準で助成金が下りるのか記載してきましたが、最後に本題、「結局お得になるのか?」です。
相場は工事費用の10%~20%で、上限は良くて25万!
例えば30坪の場合、平均的な相場と受け取れる助成金の金額は以下のようになります。
足場込みの工事費用相場 | 相場の差額 | 助成10% | 助成20% | |
屋根のみ | 20~30万 | 10万 | 2~3万 | 4~6万 |
外壁のみ | 70~110万 | 40万 | 7~11万 | 14~22万 |
屋根+外壁 | 100~150万 | 50万 | 10~15万 | 20~25万 |
これを見てお気づきの方もいらっしゃると思いますが、工事費用相場の最低料金と最高料金の差額を見てみると、助成額より大きいことがわかります。
助成金で安くなるのは業者の見積もり額次第!
当たり前のことですが、同じ市内の業者と、他の市の業者で同じ工事費用だった場合は、もちろん同じ市の業者の方がお得に工事ができますが、同じ市内の業者の工事費用に比べ、他の市の業者の工事費用が助成額以上に安かった場合、同じ市の業者の方がお安く工事することができます。
そして「工事見積もりの差額が助成額以上に安い」可能性は、相場の差額に開きがある塗装業界では大いにあり得ることなのです。
助成金制度がある市区町村にお住まいの方には、是非今一度市外の業者も視野に入れ検討いただきたいと思います。
なにより、ただ安いだけでなく、優良な塗装業者であることが一番大切なことには変わりありませんので、そういった意味でも、広い視野で業者を選んでいただければと思います。