皆様は塗装工事の見積書を見たことはありますか?
せっかく相見積もりをとっても、その違いや比較方法が分からなければもったいないですよね。
初めて塗装工事を依頼する方だけでなく、これまで塗装工事を実施してきた方も、正しい見積書のチェック方法を理解することで、後悔しない業者選びができるよう詳しくご説明していきます。
外壁塗装と屋根塗装では見積もりの内容も全く異なります。
今回は屋根塗装の見積書について詳しくチェックしていきます!しっかりと業者を見極めていきましょう。
屋根塗装の相場

屋根塗装にかかる費用相場は40~60万円(一般家庭35坪程度)と言われています。
もちろん使用する塗料や、塗装面積によっても変動するのですが、もしこれよりも極端に安い・高い見積もりであった場合は注意が必要です。
安すぎると手抜き工事の可能性がありますし、高すぎる業者はぼったくり業者の危険性があります。
屋根塗装に記載されている項目

見積書には必ず記載されている項目というものがございます。
もしお手持ちの見積書にその記載がない場合、その業者は業者としての責務を果たさない可能性が高いです。
見積書の概要
見積書に必ず記載されている項目です。
工事場所 | 塗装工事を行う建物の住所 |
工事箇所 | 工事を行う箇所の名称(屋根、屋根付帯部等) |
工事期間 | 工事日数 |
お支払い条件 | ローン利用や分割払い、お支払期限等に関する項目 |
見積書の有効期限 | |
見積金額 | 工事費用総計(税抜き、税込みの確認もお忘れなく) |
塗分けの色数上限 | ツートンなど色の塗り分けを希望する方は必ず利用色の上限があるか確認してください |
保証内容 | 塗料に関する保証です(メーカー保証や自社保証などがあります)特に保証期間と保証される塗料メーカーが書かれているかを確認してください。また保証プランによって金額も変わってきますので、他にはどのようなプランがあるのか聞いてみるのもよいでしょう |
アフターサポート | 施工後の定期点検やアフターメンテナンスに関する事項 |
まずはこれらの項目があるかどうか確認しましょう。
これらの項目はある事が前提です。
見積もりの内容で分かる

依頼した業者が良い業者か悪い業者か、見積書の内容からも判断ができます。
それでは詳しく見ていきましょう。
足場工事に関する費用
- 仮設足場架工事:塗装時に利用する足場の設置費用。万が一、見積書の足場項目が無料になっている場合は注意です。諸経費などの項目に上乗せされている可能性がありますので、諸経費やその他の項目が相場より高い場合注意深く確認してください。※面積(㎡=平米)と面積当たりの単価が書かれていることを必ず確認してください。
- 飛散・落下防止ネット:足場周辺に張る塗料の飛散や、落下防止のためのネットやカバー
塗装前の下処理に関する費用
- 養生:塗装か所とその周囲(窓枠等)をテープ等で区分けする処置
- 洗浄:塗装前に行う壁面の洗浄です(泥やカビ・コケなど塗装後の劣化原因を洗浄します)。大きく分けて高圧洗浄、トルネード洗浄、バイオ洗浄がありますがそれぞれ効果と費用が異なります。必ず何洗浄なのか確認し、その洗浄を選択した理由を確認しましょう。※面積(㎡=平米)と面積当たりの単価が書かれていることを必ず確認してください。
- 下地処理・補修工事:屋根塗装では下地処理、下地調整などのワードで記載されることが多いです。ここでいう下地とは、塗料を塗る箇所=塗装面を指します。この塗装面を、より塗料の密着が高まるように、ひび割れた屋根材の補修、剥がれた塗料の除去、鉄部等の塗料の付着しにくい素材をやすり掛けするケレン作業、サビ止めの塗布、凹凸をならすフィラーなどを行うことで、塗面を調整します。この作業が塗装後の持ちを決定するため非常に重要な項目になりますが、塗装か所が屋根であること、そして完成後は上塗りで隠れてしまうことから目視で確認することはできません。。。どのような下地処理を行うか、またその必要性について必ず事前に確認しましょう。
塗装に関する費用
- 下塗り※:塗装回数と塗料名(メーカー名と商品名)が記載されているか確認。下塗り用塗料の種類には大きく分けてシーラー/プライマー/サーフェイサーがあります。塗装面の素材と上塗りの塗料によって最適なものを選ぶ必要がありますので、必ずどんな特性の塗料を使うのか確認しましょう。
- 中塗り※:塗装回数と塗料名(メーカー名と商品名)が記載されているか確認
- 上塗り※:塗装回数と塗料名(メーカー名と商品名)が記載されているか確認
- 付帯部分塗装か所、仕様塗料名:一般的には雨樋、軒天(軒裏天井)などの屋根の付帯部分も塗装します。工事完了後に、塗る箇所の認識が業者と違った!となりやすい部分です。必ず付帯部分がどこに該当するか必ず確認しましょう。
※面積(㎡=平米)と面積当たりの単価が書かれていることを必ず確認してください。
その他の項目
- 廃材処理費等:諸経費に含まれる場合があります
- カラーシミュレーション費用:ご自宅の写真を元に、希望する塗料の色味をシミュレーションするサービスを行っている業者の場合、多くは無料で行っているサービスですが、シミュレーション回数などに上限がある可能性もあるので確認してください
- 塗装不可箇所:塗装範囲の中でも太陽光パネルなど塗装できない箇所がある場合があります。必ず確認しましょう。
工事内容によってはタスペーサーの設置などの追加費用などもあるかもしれません。
以上が屋根塗装の見積もり内容の全てですが、よく見るべきところがあります。
屋根塗装の見積もりの注意点

項目が少ない

上記のようにまとめて一式と書いてある場合には注意です。
行う工事が分からず、実際の塗装のイメージもつきにくいですし、
何をするのかが全く分からないのでするべき工程が行われていなくとも、「見積書に記載していません」といい逃げ去れてしまいます。

上記のように工程ごとに分けて記載されている見積書の業者を選びましょう。
使用する塗料の記載がない

使用する塗料が記載されていない場合、実際はどのような塗料を使用されるか分かりません。
説明の際に「良い塗料を使いますね」と言われたとしても実際に使われているかは分からないです。
塗装工事で必要なのは「口約束ではなく書面約束」と肝に銘じておきましょう。
塗料の種類が記載されているか確認しましょう。記載されている名前で検索を行うと塗料メーカーのホームページにどのような性能なのかが説明されていますので業者の説明と食い違いがないかも確認ができます。
平米数の記載がない

先程もお伝えしましたが、見積書に平米数が記載されているかどうかも必ずご確認ください。
塗料は、面積によって効果が発揮できる「基準塗布量」があり、面積によって値段も変わってきます。
ですので業者は現地調査で必ず測定を行いますし、見積書に必ず平米数の記載をします。
しかし悪徳業者は、少しでも使用する塗料量をケチろうとします。少ない塗料では塗装の成功は見込めません。ですが、「基準塗布量」と違うからといって悪徳業者と決めつけるのも悪手です。基準塗布量より多い場合、その業者独自の何か考えがあるからかもしれません。業者に尋ねてみることで業者独自のこだわりや、いかにお客様や、お客様の家を大事に思っているか、それとも何も考えていないのかが分かるかもしれません。
悪徳業者ではないにしろ、平米数の記載すらも省く業者は施工主様の事を全く考えていない思いやりのない業者といえます。その様な業者が満足な塗装を行う可能性は限りなく低いでしょう。避けるのが無難ですね。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
良い見積書・悪い見積書の区別はつきそうでしょうか。
見積書を見る際は是非この記事を参考にして悪徳業者を見抜き優良塗装業者と契約を結んでください。
しかしここに書いたものは全て基準になる事であって、業者選びの際の足きりにでも使って頂きたいなと思っております。
悪徳業者、優良塗装業者など様々おりますが、この記事で書いてあること含め、その上でその業者独自のこだわりや、施工する家に必要と思われる工事が加わるかもしれません。
そのこだわりの部分は備考欄で見受けられることもあるので備考欄も要チェックです!
悪徳業者は必要のない工事を行いお金を搾り取ろうとしますので、なぜその工事を行うかなど説明をしてもらうと業者の良い・悪いが見極めやすいです。
決して安くはない、直しの利かない工事なので慎重に塗装業者を選んでいきましょう!