皆様は塗装工事の見積書を見たことはありますか?
せっかく相見積もりをとっても、その違いや比較方法が分からなければもったいないですよね。
初めて塗装工事を依頼する方だけでなく、これまで塗装工事を実施してきた方も、正しい見積書のチェック方法を理解することで、後悔しない業者選びができるよう詳しくご説明していきます。
外壁塗装と屋根塗装では見積もりの内容も全く異なります。
今回は外壁塗装の見積書について詳しくチェックしていきます!
外壁塗装の見積書に記載されているべき項目
見積書には、必ず記載されているべき項目と、工事・修繕内容によって記載されているべき項目に分けられます。ここで挙げる項目がお手持ちの見積書に記載されていない場合は、塗装業者に追加で確認を取るようにしましょう。
必ず記載されているべき項目
見積に関する概要
- 工事場所:塗装工事を行う建物の住所
- 工事箇所:工事を行う箇所の名称(外壁、外壁付帯部等)
- 工事期間:工事日数
- お支払い条件:ローン利用や分割払い、お支払期限等に関する項目
- 見積書の有効期限
- 見積金額:工事費用総計(税抜き、税込みの確認もお忘れなく)
- 塗分けの色数上限について:ツートンなど色の塗り分けを希望する方は必ず利用色の上限があるか確認してください
- 保証内容:塗料に関する保証です(メーカー保証や自社保証などがあります)特に保証期間と保証される塗料メーカーが書かれているかを確認してください。また保証プランによって金額も変わってきますので、他にはどのようなプランがあるのか聞いてみるのもよいでしょう
- アフターサポート:施工後の定期点検やアフターメンテナンスに関する事項
見積内容の詳細
足場工事に関する費用
- 仮設足場架工事★:塗装時に利用する足場の設置費用。万が一、見積書の足場項目が無料になっていた場合は諸経費などの項目に上乗せされている可能性がありますので、諸経費やその他の項目が相場より高い場合注意深く確認してください。
- 飛散・落下防止ネット★:足場周辺に張るネットやカバー
★面積(㎡=平米)と面積当たりの単価が書かれていることを必ず確認してください。
塗装前の下処理に関する費用
- 養生(マスキング):塗装か所とその周囲(窓枠等)をテープ等で区分けする処置
- 洗浄★:塗装前に行う壁面の洗浄です(泥やカビ・コケなど塗装後の劣化原因を洗浄します)。大きく分けて高圧洗浄、トルネード洗浄、バイオ洗浄がありますがそれぞれ効果と費用が異なります。必ず何洗浄なのか確認し、その洗浄を選択した理由を確認しましょう。
- 下地処理・補修工事:外壁塗装では下地処理、下地調整などのワードで記載されることが多いです。ここでいう下地とは、塗料を塗る箇所=塗装面を指します。この塗装面を、より塗料の密着が高まるように、ひび割れのシーリング(外壁目地やサッシのシーリングとは異なる作業です)、剥がれた塗料の除去、サビ止めの塗布、凹凸をならすフィラーなどを行うことで、塗面を調整します。この作業が塗装後の持ちを決定するため非常に重要な項目になりますが、完成後に確認することはできません。。。どのような下地処理を行うか、またその必要性について必ず事前に確認しましょう。
★面積(㎡=平米)と面積当たりの単価が書かれていることを必ず確認してください。
塗装に関する項目
- 下塗り★:塗装回数と塗料名(メーカー名と商品名)が記載されているか確認。下塗り用塗料の種類には大きく分けてシーラー/プライマー/サーフェイサーがあります。塗装面の素材と上塗りの塗料によって最適なものを選ぶ必要がありますので、必ずどんな特性の塗料を使うのか確認しましょう。
- 中塗り★:塗装回数と塗料名(メーカー名と商品名)が記載されているか確認
- 上塗り★:塗装回数と塗料名(メーカー名と商品名)が記載されているか確認
- 付帯部分塗装か所、仕様塗料名:一般的には軒天(軒裏天井:外壁と屋根をつなぐ部分)、雨樋、水切り、破風板、帯板、木面格子、雨戸等の壁の付帯部分も塗装します。工事完了後に、塗る箇所の認識が業者と違った!となりやすい部分です。必ず付帯部分がどこに該当するか必ず確認しましょう。
★面積(㎡=平米)と面積当たりの単価が書かれていることを必ず確認してください。
その他の項目
- 廃材処理費等:諸経費に含まれる場合があります
- カラーシミュレーション費用:ご自宅の写真を元に、希望する塗料の色味をシミュレーションするサービスを行っている業者の場合、多くは無料で行っているサービスですが、シミュレーション回数などに上限がある可能性もあるので確認してください
- 塗装不可箇所:塗装範囲の中でもアルミ部分など塗装できない箇所がある場合があります。必ず確認しましょう。
工事・修繕内容によって記載されているべき項目
塗装前の下処理に関する追加費用
- 外壁目地のシーリング★:主に「サイディング」や「ALC」といった、パネル状の壁材を使用した建物の場合で必要となります。サイディングの繋ぎ目に打ち込んであるゴムのようなもの(=シーリング・コーキング)を塗装の前に撤去して新規に打ち変えることです。縦目地のみ、もしくは縦目地&横目地どちらも補修する場合や、打ち替え/増し打ちのそれぞれの工法がありますが、壁材や劣化状態・目的によって異なりますので、相見積もりで差分がある場合は補修内容と工法を確認しましょう。
- サッシ廻りのシーリング★:窓枠と外壁の隙間を埋めるためのシーリング補修です
- パイプ・配管廻りのシーリング★:水道管や通気口等の配管と外壁の隙間を埋めるためのシーリング補修です
★シーリング以外にもシールやコーキングなどの名称も使われています。また、外壁塗装のシーリング作業にはシーリング材を定着しやすくするシーラー(プライマー)という前処理がありますが、内容は別物ですので記載に注意してください。また、シーリングで使用するシーリング材にも種類がありそれぞれ特性があります。外壁塗装で一般的に利用されるのは変成シリコン系、ウレタン系です。万が一それ以外の材料が記載されていた場合は理由を確認しましょう。